大谷翔平の二刀流ってめちゃくちゃすごいのですが、いまいちその凄さが分からない人が多いハズ。
凄すぎるモノというのは、物差しがないので、凡人が理解しようにもなかなか難しいです。
大谷翔平のすごさを説明するときに使われる例えは、別のスポーツです。
サッカーで言えば、フォワードとキーパーを同時にやるぐらい凄い。
僕自身は上のような例えをよく聴きました。
守りながら、攻撃をする、という意味では確かにその通りですが、野球とサッカーはゲーム形式が違うので微妙です。
野球は攻守が明確に別れている一方で、サッカーは攻守が分かれていません。バスケットやアメフトのような、攻防一体のスポーツです。つまり、
キーパーとフォワード。
投手と打者。
ゲームにおいての役割は少し違うのです。というか、サッカーでキーパーをやりながら攻撃に参加する選手がいたらそれはそれですごい騒ぎです。
ある試合はキーパーをこなして、またある試合ではフォワードをこなす選手がいたとしても、それはとんだオールラウンダーです。
きっと、とてつもない運動神経の持ち主でしょう。
話が逸れましたが、サッカーという異種のスポーツでは野球の偉業を説明することは不可能であると思っています。
これは、クリロナやマルセロの凄さを野球選手に例えるのが難しいのと同じことです。そのスポーツのすごさというのは、そのスポーツを知っている人にしか知りえないことなのです。
僕が大谷翔平のすごさを他人に説明するならば、確率と掛け算を用いる。
大谷がどれだけ凄いか、○○に例えると~
なんてのは不必要。
もっと単純でいいと思っています。
僕ならば、
100年に一人の天才
とシンプルに説明します。
10年に一人のバッティングセンスを持った怪物がたまたま、10年に一人のピッチングの才能を持っていた。
10×10=100
つまり
100年に一人の選手
である。
なので、大天才を呼ぶときの定番ですが、
100年に一人の天才
と呼ぶのが、簡潔かつ分かりやすいだろうと思います。
これは、毎年ドラフトで言われる
10年に一人の逸材
というリップサービスではありませんよ。また
1000年に一人の美少女なんてのも、違います。
ハシカンは天使だけれども・・・
そう、大谷は正真正銘、100年に一人の天才です。
しかし、なぜ大谷が10年に一人の打者であり、10年に一人の投手であるか?証明が必要です。
それが成り立たねば、大谷が100年に一人の天才であることは説明が出来ません。
実のところ、大谷のすごいところは実際に100年に一人の天才であることを証明できることにあると思っています。
10年に一人の打者って誰だろう。【基準は何?】
10年に一人の打者というのは、メジャーリーグで主軸を張れる打者、もしくは日本の中でも至宝と呼ぶにふさわしいバッターだと思います。
実際に、10年に一人のペースぐらいでそういったバッターが出てきていると思います。
松井秀喜は名門ヤンキースで4番を務め、31本の本塁打を打っています。この松井は日本時代に3割3分を超えて50本もの本塁打を放ちました。
- 3.34
- 50本
- 107打点
これが、主要3タイトルの成績ですね。日本最後の左の和製大砲で、50本を打つ日本人は松井以降出てきていません。
松井が50本を打ったのは2003年ですから、すでに20年ぐらい空いています。
踏まえて、僕は10年に一人の打者の条件としては
3割50本
NPBでこれが打てることが目安だと思っています。
実際に松井が主戦場を張る、ちょうど10年ぐらい前には落合博満がいました。このバッターは松井と同じ、いや、それ以上に卓越した打撃能力を持っています。
- 3割6分7厘
- 52本
- 146打点
3割6分、50本を超える本塁打を放っています。
その前には王貞治がいて、
- 3割5分5厘
- 51本
- 114打点
を上げています。
まあそんな感じで和製大砲というのは10年から20年スパンで生まれているわけです。
カブレラやローズも3割50本を記録しているし、バレンティンは日本記録を樹立しています。
しかし、彼らは外国の選手です。海外ならば、日本で言う10年に一人のバッターは多分毎年生まれることでしょう。やはりスケールが違います。
話は日本に戻し、現代において松井クラス、つまり10年に一人の大打者として生まれたのが大谷翔平です。彼の体には松井以上のエンジンが積まれています。
まあ、大谷は日本で3割3分以上、50本の本塁打は打てていません。
本塁打はともかく打率は打席数が関与しないので、今回の条件に当てはまらないと考えられます。
しかし、大谷は打率が松井、落合に比べて低い分本塁打を打つ能力がずば抜けており、60本以上を打つポテンシャルがあると考えられます。それを踏まえれば、落合、松井級といってもそん色ないと考えられるかと思います。
イチローは?
という話になりますが、この選手は大打者とかそういった枠組みで収まりません。
個人的には50年に一人の名選手
だと思っています。
打って守って走る。
全ての場面で高い水準、どれもが世界トップレベル。
まさしく、超級の野球選手です。
全てのプレーに強く出ることが出来る。
それを考えれば、イチローは「野球選手」として総合的に評価をするのが良いと思います。
芸能界で言えば、漫才だけでなくMC能力やフリートーク、持っている番組の本数など、そういった総合的な部分でハイレベルな松本人志的な存在です。
松本以上に漫才が上手い芸人がいるように、打者としてみた場合イチローを超える打力を見せる選手はいます。
つまり、ここで言う大谷、松井、落合などのスラッガーとは違うベクトルなのです。
10年に一人の投手
こちらもメジャーで主力を張れる投手です。
しかし、これは打者に比べて非常に多くいて、メジャーリーグで主力を張れるピッチャーは数多くいます。
マー君、ダルビッシュ、岩隈、黒田なんかも良いピッチャーでした。また、野茂も忘れてはいけません。
しかし、これらの多くの投手は日本時代に比べて技で勝負している印象が目立ちます。
楽天時代は超本格派で直球も決め球の一つとして使っていたマー君はメジャーリーグにおいては、技巧派になりましたし、黒田投手も岩隈投手もそうでした。
それが悪いことではなく、むしろそれが日本人投手の強みとして評価されているのです。ただ、そういった中で己のスタイルを崩さずに活躍したのは
ダルビッシュ有選手と野茂英雄投手の2人だけではないかと思っています。
上原投手もまあ、スタイルを崩さずに活躍した、という点で当てはまりますが、彼の場合もイチロー選手と同様、何か別のベクトルで戦っている感じなので、ちょっと例外な感じがします。
話はそれましたが、ダルビッシュ選手にしろ、野茂選手にしろ日本といたころのスタンスで勝ち星を上げて、実績を積み上げたことを考えれば、10年に一人の投手として評価できるのではないかと思います。
ちょうど、この2投手がメジャーで活躍している期間も10年ぐらいの空きがあります。
で、当の投手大谷も日本にいたころとあまりスタイルは変わらずに活躍していて、言ってみれば
力負けしていない投手
つまり、ダルビッシュ、野茂と同じく10年に一人の投手と言えるのではないかと思ったりします。
つまるところ
打撃においては、松井秀喜以上の馬力を持っており、投球においてはダルビッシュに迫る実力を持っている。
松井は10年に一人の打者ですし、ダルビッシュは多分それ以上です。個人的には20年に一人ぐらいだと思っています。
で、大谷翔平に関して、正直、ピッチングはダルビッシュにはまだ及ばないと思っていますが、それでも迫る才能はあると言えます。
くわえて、大谷には一塁までの到達速度がメジャーでナンバーワンという俊足もおまけでついている。
これを踏まえると、100年に一人の天才。というのはどこかしっくりくる呼び名ではないかと思ったりします。
これからの大谷翔平
野球選手のピークは28歳~34歳
、と言われており、これは落合博満がそういったことも踏まえて、ここではそうである、と前提します。
まあ、実際にイチローが世界記録を樹立したのも30歳の時でしたし、落合博満が三冠王を取ったのもそれぐらいでした。
また、大谷翔平自身も
「まだまだピークではない」
という発言をメディアでしています。
そういった中でこれから大谷翔平はどういった成績を残すのでしょうか。
成績の予想をしていこうと思います。
打者大谷
- 3割2分
- 54本
- 30盗塁
全てがかみ合った場合、上記のような成績を取れるのではないかと思っています。
比較としては、Aロッドのキャリアハイが
2007(NYY) .314 54本 156打点 24盗塁 出塁率.422 長打率.645 OPS1.067
本塁打王 打点王
となっているので、それを超える成績は期待できると思います。
46本を打った今年はペース的には59本打つと言われていましたし、50本越えは期待できると思います。
失速したのは体力的なものも一つですが、巷で噂されているのはホームランダービーによるところが大きいというものです。
確かにその線は濃いような気もします。仮に邪魔が入らずに、「入れば」想像を2歩3歩超える活躍を見せると考えられます。
「入った大谷」は手に着けられない印象があります。それは、打撃において顕著で、2021年は鬼神の如く打ちまくった期間がありました。
要は、それを維持できるかどうかにかかっているでしょう。
そして、盗塁についてですが量産期間の大谷は勝負も避けられるので四球も増えるでしょう。
メジャーの投手はクイックが下手で(言い方w)三盗も結構許している印象があるので、30盗塁ってかなり低いハードルかなと思ったりしますね。
投手大谷
- 13勝4敗
- 防御率2.40
- 奪三振160~170
上記の感じで、少し控えめです。
打者大谷はレジェンドクラスの才覚があるように思えますが、投手大谷は
メジャーのエース級~リーグ代表級
と筆者は考えております。
それでも、十分凄いですが、防御率は1点台まではいかないような気がしています。
それほどにメジャーのバッターは凄いです。
大谷選手は割と四球も多いですし、ランナー1,2塁とかで本塁打を打たれる場面も結構出てくると思います。
ダルビッシュも三振をアホみたいにとるのですが、そうやって点を取られることが多いです。
結果、防御率があんまり下がらずに3点台でシーズンを終えることが多くあります。
それは、仕方がないことで、メジャーはともかくインパクト力が日本人とは違う世界にあるのです。
ですから、投手のキャリアとしては、13ぐらいにまとまって終わるのかなと思ったりします。
まとめ
大谷選手についてまとめました。
二刀流のすごさは、どれだけ凄いのかわからないぐらい凄い、というのが結論です。
マジで、えげつなくて、投手と打者の使う筋肉は違う点も踏まえると、大谷の体には神が宿っていると思います。
しかし、花巻東の頃の肉体と今を比べると明らかに厚みが違い、大谷選手のたゆまぬ鍛錬があったからこそのいまなんだ、ということも分かります。
日本人離れしたパワーに、日本の天才打者を超えるテクニック。
ハイブリット型の怪物、大谷翔平は今後どんな活躍をするのか。要注目ですね。